幼児の矯正歯科治療

3歳で乳歯列は完成します。お子さんに不正咬合が見つかった場合の対応ですが、もし装置が使えれば5歳でも始めることはあります。

しかし、ここは専門医の間でも意見が分かれるところです。私も含めて多くの専門医は、小学校に入ってから始めても同様な結果を得ると考えています。

また、前歯反対咬合は永久歯への生え変わりで約20%の子どもは正常咬合になります。元々骨格には問題が無く、たまたま「ボタンの掛け違い」で反対になったものです。
残念ながら、それ以外の反対咬合の場合は、時期をみて矯正歯科治療を考えねばなりません。

指しゃぶりはどうでしょう。乳児期では生理的な活動も、乳歯列が咬合しなければならないこの時期に、指が下の前歯の萌出を妨げ、さらに上の前歯を前上方に押し上げてしまい開咬になります。

また舌の挙上運動も阻害されて、上顎歯列の幅を狭くして、奥歯の交叉咬合を伴うこともあります。

おしゃぶりも同様です。顎や口腔周囲筋の発育促進のためという意見は、完全に否定はできませんが、長時間、長期の使用は、明らかに顎や歯列の不正を招きます。
指しゃぶりと同様に、1日3時間が限界ではないでしょうか。

慌てて急に、全てを止めなくても、徐々に言い聞かせて、止めさせればよいのです。これらの習慣や悪癖は、5歳前に止めれば、元の歯列に戻ります。

ただし、それ以降もこれらの不良習癖が続くと、前歯の開いた隙間に、今度は舌が日常的に入り込む弄舌癖を招き、矯正歯科治療が煩雑化してしまうことがあります。心配な親御さんは、一度来院してみてください。今後の対策も含めてアドバイスします。

お子さんの顎発育促進のため、固いものを食べさせて不正咬合を予防するという話はよく聞きます。よく噛んで食べることは顎にとっては、良いことだと思いますが、実際に顎の大きさを変えるとなると、現実的な話とは考えにくいです。

この時期、何よりも大切なのは、虫歯にしないことと、そのための口腔衛生習慣の獲得が肝心です。

矯正歯科専門医とは?
年齢別治療
矯正前の虫歯について
虫歯にならない為に
痛みと矯正歯科治療
矯正後のメンテナンス
ページの先頭へ